ユニオン工業…兵庫・尼崎《会社訪問》

ソックス・シームレスウェア編機製造分野で

        世界最大と呼び名の高いLONATI グループ総代理店

 JR尼崎駅から車で約5分、西川2丁目の公園横に位置しており、しかもこの地は、日本の二大有力靴下産地と目される「兵庫県・志方」と「奈良県・広陵町」のほぼ中間地点に当たると云うのが、今回訪ねたユニオン工業株式会社――。

ユニオン工業

 現在、世界屈指のソックス編機やシームレスウェア編機のメーカー、イタリアはLONATI(ロナティ)グループの極東地域総代理店としてのビジネス展開が柱である同社にとってこのロケーションは、足回りの良さを利かせたユーザー・サービス・ワークに、まさしくうってつけの好立地でもあり、LONATI(ロナティ)グループからの信頼が増す一途との評判も、十分にうなずけるところだ。

 創業は昭和年に、現社長・永田達也氏の祖父である永田英夫氏が〝永田ファミリー〟の一員として靴下編機の販売を目的に設立したのが、そもそものスタート。当初は、明治36年に国内初の靴下機製造を始め、やがては国内靴下編機メーカーの頂点に立つに至った永田精機製の各機種を専門に販売していたが、その後、国内靴下生産業界のユーザーニーズの多様化に呼応する形でビジネスの幅を広げ、国内各産地向け技術サービスワークはむろん、世界を舞台に活躍の日々と云う現在の姿へと企業成長を遂げ続けてきた。2015年6月末に永田精機が靴下編機の製造から撤退した事もあって、ユニオン工業の役割や責務が一段と大きくなっている。 

代表取締役社長 永田達也氏

 「世界を舞台に・・」と云えば、同社・永田社長の言葉に、面白い一節がある。

 「当社が目指す企業形態は〝無国籍企業〟なんですよ。われわれの業種とビジネス内容で肝心なのは、世界のどこからでも良いから、とにかく、ユーザーさんの企業メリットに直結する編機を探し出しての紹介・販売と、それに付随する高度なメンテナンス技術サービス展開。その意味では、当社がどこの国の会社なのか分らなくてもよいのではないでしょうか?」とのセリフだ。これを裏書きするかのような事例のひとつが、同社のグローバル型人材の顔ぶれ。現在総勢30人の社員構成だが、日本人スタッフを始めイタリア人、中国人、タイ人、フィリピン人、ベトナム人の各社員と多彩な布陣。社内での日常会話は、基本的に全員が英語。まさに〝無国籍企業〟に徹した国際人の集団である。

グローバル・ビジネス展開企業の典型例

 TPP(環太平洋パートナーシップ経済連携協定)が発動されるといよいよ多国籍企業の活躍舞台が増え、中小企業のグローバル経営がアジア・太平洋地域を一つの市場として形成され始動するが、同社はまさにそれを先取りしたかのような取り組み。アジア経済圏に於いては、早くから中国で上海、海寧、タイのバンコクに販売拠点を擁し、次いで4番目の拠点としてベトナムのホーチミンに2015年4月、事務所を開設した。

ユニオン工業

 同事務所は、中国・上海市にある「サントーニ上海社」との間で同社工場が製造する靴下編機のアジア地域の総代理店契約を結び、「サントーニ上海社」と同社が合弁でベトナム事務所を開設したもの。この背景は低価格の台湾製や韓国製、および中国製の編機がチャイナプラスワンとしてアジア市場に流れているので、これらへの対応策として、高品質商品を編む事の出来るロナティの靴下機の販売シェアを伸ばしていく狙いであるという。

日本の靴下業界が発展するための提案

 「技術者の育成が急務である。特に最新の編機の性能を使いこなせる若い技術者の育成が必要だ。手遅れにならないようにと、靴下工連が平成24年度から〈技術者育成スクール〉の名称で研修と人材育成事業を進めておられるが、当社はこれに賛同し、研修用の場所を提供している」

 その一方で「日本は品質基準が厳しいところから〝品質の日本〟であるには違いないのだが、但し残念ながら品質が高レベルである分、コストも高くなるため、も早、商業ベース(国際価格競争面)で捉えれば、必ずしも〝技術の日本〟が絶対的な強みとは、言えないのではないか」――との危惧を示す永田社長だ。

 その根拠は?と尋ねると、「アジアの他国ではメカの時代を飛び越えいきなり最新のフルコンピュータ化された靴下編機が導入され、それに対応できる若い技術者の台頭が目覚しい。それは過去の日本がそうであつた様に発展途上国は、まず繊維産業が経済発展の牽引車となるので優秀な人材が入社してくる。それに技術者にはハングリー精神の持ち主が多い。人に頼らず自分で理論的に考えて対応が出来る人材が力をつけてきているだけに、日本の繊維産業にとっては大きな脅威となっているからだ」との答えが返ってきた。

 が、同社長、悲観論ばかりではない。「日本の生き方は多品種小ロットに対しても徹底したオー

トメーション製造で対応する。機械で出来る事は機械にさせる。そうする中から、足元に大きな市場が再発掘出来る日本の優位性が見出せる筈です」――との断言も。

ユニオン工業ショウルーム

新しいショールームと研修スペースが3月末に完成予定*

 現在、本社敷地内にショールームと研修スペースを新設するべく、200平方メートルを充当し建設工事を進めている。2016年3月末に完成の予定だ。(*Web 版注 2016年取材記事)

(フリーライター 浅木武彦)

■ユニオン工業株式会社■

代表者・・・・・永田達也(代表取締役社長)

        永田亮司(代表取締役副社長)

本社所在地・・・兵庫県尼崎市西川2丁目6番13号

事業内容・・・・繊維機械輸入・販売及び技術

        サービス繊維機械部品輸入販売、繊維製品輸入・販売

創業・・・・・・昭和24年3月8日 

【Web版再掲】(初出)ニット・ファイル通信 Vol18,2016