信念溢れた営業提案が大事・・

さぁ、ニットを着てください

 随分前に「メリヤスからニットへ」という言葉が使われるようになり、その時代にニット製造メーカーやニットアパレルの社員たちですら、その多くがスーツを着て営業に回っていたが、何故布帛のスーツやカッターを、まるでユニフォームのような感覚で着ていたのだろう。ニットを着て営業に回れば自社の商品のアピールになるのではと思うのですが・・。でもその頃は、チャラチャラしているように取られかねないのでセーターなど着て営業に出ることは、ほとんど考えられなかった時代。営業マンはスーツと決まっていたのです。でも、オシャレな営業マンなら時にはスーツも良いが、やはりここは「ニットでしょう~」。特に売り先・訪問先が婦人物専門店なら他社のニットを着ても良いのではないでしょうか。

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 その昔、私がセンイ・ジヤァナルで外回りしていた頃の話ですが、ある大阪の肌着の製造メーカーを訪問した時の、社長と社員の会話を耳にした折のエピソードです。

 社長「君はどこの肌着を着ているのかね~。もちろん自社の商品だろう?」

 社員「いいえ○○の肌着です」

 社長「君は何故ウチの肌着を着ないのかね、自社の製品はこんなに良いのですと自信を持って堂々としていれば、逆に好感を持って貰えるのではないのかなぁ・・・」

 社員「ですが、○○は当社の得意先ですから」

 社長「得意先の商品がそれだとしても、変に遠慮したり迎合し過ぎると、却ってイヤミになるのではないかね」

 社員「もちろん自社の商品も買って愛用していますが、時には他社が作った製品と着比べる事も必要ではないでしょうか」

 ――私はその問答に興味をそそられつつ「なるほど」と思った事があります。むろん社長の言う事も一理はありますが・・・。

 最近はこのような、信念を持った社員は少なくなってきているのではないでしょうか。そう答えた、その時の社員は今ではその会社の専務になっていると聞きました。

  「さぁ、ニットを着てください」、このように自社の製品を着てセンスのあるコーディネイトの批評会などを、時に応じて自社内で開き、似合っている着こなしを選び抜いた上で営業に出るのも一つの方法ではないだろうか。ニットアイテムを巧みに組み合わせると、素敵なコーディネイトが出来上がるものです。

 しかし難しい面もあります。それはシニア向けの商品での営業です。若い男性や女性の営業の方には自社のそれは似合いません。もちろん会社で作っている商品はレディース部門やメンズ部門などと区分されている事が多いでしょう。そうした商品を担当する男性の営業マンや、また最近では営業ウーマンも大勢おられると思いますが、何より大事なポイントは、自社の製品をどのようにPRするかと云う事です。

いくら自社の「営業数字を伸ばす事が大切」だとしても、自分で着られないようなものを人に売りつけるのは如何なものかな~。

(本誌編集部)「ちょこっとお勉強」 ニット・ファイル通信Vol19,2016.4 

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